またホワエグ?の話

筆を置こうと思いましたが、せっかくrajendraさんにコメントもエントリーも頂いているので、また立てました。

rajendraさんのコメントもエントリーも大筋同意します。
ただ、ちょっと違和感があったところを言わせてもらいますと

コメントより

ホワエグが適用されていようがいまいが、そもそも雇用主には労働者の健康管理の義務があります。もしもそれを怠って過労死や過労自殺となった場合、会社は遺族に相当額の賠償金を支払う羽目になるので、会社側が労働者の安全を確保するインセンティブになるわけです。


過労死のときの賠償金がインセンティブになるのは確かと思いますが、それはチキンレース的なインセンティブだと思います。

資本力も、扱う商品も、社員の能力もまったく同じな2社があったとします。
このときこの2社が競争でどちらが勝者になるかと言えば、どれだけ社員に長く労働をさせることが出来たかで決まるでしょう。
もちろん、高校野球とかで放課後1時間練習の進学校が、野球づけの私立高校に勝つという例はよくあります。
でも、この実験を100回繰り返せば、長く働いた方が勝つ傾向が高くなると思います。

経営者はキレイな言葉で言えば、社員の能力を最大限引き出すために努力を惜しまないでしょう。
結果、社員が死なないギリギリのレベルまで働かせた会社が勝者になるチキンレースゲームになると思います。

ゆえに、残業代というものは矛盾点が発生するデメリットがあっても社会に必要なルールであると思います。
自由の国アメリカでも、残業代はあるわけですし、その矛盾点を解消するために例外的に導入されているのがホワエグだと理解しています。

その点、rajendraさんのエントリーからしても承知済みのことと思います。

ただ、この点

労働者側も議論が空回りのまま押し切られるよりは、この機に乗じて恒常的サービス残業の実態を改善するために取引を試みたほうが得な気がするんですがね。

残業代とは上の必要性ももちろんですが、法で定められた雇用者が受け取るべき正当な報酬です。
サービス残業とは言葉はいいが、ようは未払い金な訳です。それは取引の材料にはならないでしょう。

のび太君がジャイアンにおもちゃを貸しましたが返してくれません。「返してよう。返してよう」とひつこく言うと
「じゃあ、返してやるから、オレのお願いを聞いてくれよ」

この取引は公正な取引と言えるでしょうか?
得をするのはいったいどちらなのでしょう?

この点、誤解があればご指摘下さい。
あと、コメントとはてすた、ありがとうございました。